こんな・・・・











 (はぁー今日もさぼってしまった。)

 青々とした芝生の上をゆったりとあてもなくブラブラとあてもなくさまよい歩く。

 憂鬱な気分とは裏腹な晴れ渡る空が清々しいくらいに綺麗で腹が立つ。


「どうしようこのままだと留年だよなーやっぱ。」


 誰に語りかけるわけでもなく一人でぽつりぽつりとつぶやく。

両手を制服のズボンに入れて猫背になりながら下を俯いてしまう。


 「でもさぁー教室行くとみんな固まるんだよねー、なにもうそれって俺が悪いのかねー。
 いや悪くないねうん、、、、、」

(そうですよねだれかそうだといってくださいーーー。)


 ということ一切表情にださないのではたからみると無表情がこわいが周りに人がいないのでセーフ。


 (やっぱあいつらと地元の高校行けばよかった、こんなとこ来るんじゃなかった。)


 ほんの数か月まえのことを思い出しふと泣きそうになるが泣かないオレ男の子だし!

 って強がって見てもあの視線の嵐は正直きつい。



 「はぁ〜」


考えれば考えるほど落ち込む気がというか落ち込んでるよね。


 (このままここにいてもしょうがない帰るか。)


 どうせ授業はあと一時間で終わりだし、たしか今日頼んだものくるはずだよなぁー

 と一人できめていままできた道を戻り始めた。

 この話の主人公 永浦志信 ただいま絶賛友達募集中









(近道〜近道♪)


 きれいに整備された道ではなくもはやそこはただの林をしっかりと見据えて歩き始める。

いかんせんどうやら自分はほかの生徒に怖がられているようなので、普通の道が使えない


(最初歩いたら悲鳴あがったなーさすがにあれにはへこんだなぁー)


 のでほかの生徒に合わないように道なき道を歩いていたら、意外や意外これが便利だった。


 (あれだよなー最初ここの地図みたら遠回りな道ばっかなんだよ)


 ここの生徒はお金持ちとか上流階級系が多いらしく(あっ俺もお金持ちだから通ってるんだよ)オレのように近道を使うのはいない。

 近道を使っている最中に誰かに出会ったことがないので確証がないけれど


(えぇとここを左でいいはず)


ガサガサと茂みをかき分けていると


(あれ?失敗したねこりゃ。)


目の前には裏の門が見える。

この裏門は志信が向かっていた寮とは反対側に位置する。

正門とは違い業者や、自宅から通ったりする先生専用の門である。

ちなみに開けるのに暗証番号がいるらしい。


(むだなハイテク)


 「・・・・あ・・よ、こら・・・・」


(んーなんだあの黒いの?)


 「んだよ!開かないじゃん!!」

(ほーなんか王道な感じ〜。)


 遠目からなのだがどうしたのっといいたくなるほどのボサボサな髪に眼鏡クン。

 ここでどうしたの?と声をかけたいところだが、知り合い曰く、最初に話しかけるのは副会長でなくてはならないらしい。

 それでもって笑顔が嘘くさいとか言わないといけないらしいのだ。

 いやいや何初対面でそんなこと言わなくてはいけないのかさっぱりわからないがそれがいいらしい。

 いやはや友人のせいで無駄な知識だけが増えていく気がするというか普通いらないよねこんな情報。


(おぉー最初の課題に挑戦中だ)


 最初の課題とは門が開かないそうでそれに腹を立てた、王道クンは門をよじ登りこの学校に入るというとこまで。

裏門で格子状になっている手を入れてガシャガシャと開かない腹いなのか、殴ったり、けり始めた。


(勇気あるなー)


自分が見てもただの校門のわりには馬鹿みたいに高く作ってあり、さらに複雑な文様が組み込まれているそれは、だれがみても高そう。

と思うなーオレの金銭感覚一般市民なみだからなー

俺が通っていた中学なんて半分壊れていたし、あんな文様なかったよなー、あえていうなら横断歩道を横にしたよな、人通り抜けられるぐらいの穴が開いていた。

学校の先生なんていつもいやそうな顔で毎朝開けていた錆びだらけだから開けたり閉めたりすると女性の金切り声のようないやーな音があたりに響き渡るのだ。

もちろんこの学校のような全自動ではなくて手動です。

残っていた部分もサビだらけなので足で蹴ったら折れそうなぐらいのボロさ加減なら分かるが、あんな蹴りやらパンチは到底できそうにない金属特有のゴーンとかガシャンーな音が鳴り響く。


(殴ったら痛いし、つーかあきらめなよ。)


このまま見てみぬふりして帰るのも悪いしなーでもうるさいし。

でも俺がいきなり出て行ったら絶対逃げるぞ


(うわー逃げるだって自分でいっててせつねー)


きっとそれに王道転校生を熱く語ってくれた伊織に確実に怒られるのは目に見えているし。