1話 こんなはじまり  後編





おぉそうだ伊織にメールしなくては、もしかしたらこのことを知らないのかもしれないし。





  伊織へ


  伊織〜!!喜べ、三度の飯より好きな王道ものが今後みれそうだぞ。

  実はその現場に絶賛待機中?ウラヤマシイダロ(笑)

  急がないと副会長との生チューのイベント見過ごすぞー

むしろ見逃したらいいじゃんみたいなー!!

               なんてー 心優しいシノキュンからでした(^◇^)



 よし!書けた、それではブラ○クメール送信 ズキュンッ

 だれも見てないけどなかなかうまかったよ自分このね、ズキュンの角度が決めてなのだよ。ここだけなら本家本元にも負けない自信がある。

  これって俺らの間ではやったんだよねーだからそこだけ完コピで。

 今じゃやっぱ古いかな。










 ジャンジャンジャカジャカジャンジャジャン?

「うわっ」

ポーズを決めたまま待つこと数秒早くも返信きたよ、たしか今って・・・・

「し〜の〜」

「ひぃぃーー伊織早いよー授業中のはずじゃん!!」


 先ほど送ったばかりなのになぜ俺の背後に!!まだメールの内容も見てないよ!!

「よくもこの僕を差し置いて王道イベント楽しもうとしてるのさぁー!!」

大型犬のようなバウバウな剣幕で詰め寄ってくる。

「声落として声落として!!」

ばれちゃうからまじでばれちゃうから。

ここからその王道君からは数メートルしか離れておらず、騒げば気づかれることは確実。

そして俺はばれたくない!っーか平和が一番、これ大事ですよホント。



「それはダメなんだから〜!!」

「うん、わかったらロリ声やめて、まじ引くわー」

「ひどいシノっち☆自信作なのに」


顔に両手を当てて悲しんでみせるがキモイ

想像してみてくれ170pの高校生がロリ声できゅるるんおめめで見上げてくるキモっ!!。

ところがどっこい。

伊織の場合、顔がいいのかそれなりにいいように思えるのが腹立つわー

顔がいいと勝ち組人生ですかこのやろう。

はっ!別に羨ましくなんかないんだからねっ。


「それよりもうほらほら」

そんなことをしていたがなにやらイベント絶賛進行中らしく、やりとりが見えた。





「あなたは本日編入の真崎咲也ですか?」


それではここから伊織と俺のラジオ形式の生放送でお送りしまーす。

志信→し  伊織→い   な感じでーす。 


し:身長が高いのが副会長だな。おーぉ初めて見た!!

い:えっまじで今までの時間なにしてたの見る機会山ほどあったでしょ?

「おぅ・・・じゃなかった! はいそうです」

でちまいのが王道君ね。

副会長からはもじゃもじゃな頭しかみえないんーじゃね?


し:えっ普通の学園生活。そういうちみは?

い:ふふふっもちろん生BLパラダイス!!

し:さいですか。


「ふーんまぁいいです。とりあえず行きましょうか。」


い:おー王子スマイル!!

し:なにそれ?

い:えっそのまんま

し:・・・・ふーんひねりも何もないな。

い:くぅぅーあの身長差が憎いねー!いいねいいねー萌えるわー!!

し:・・・・見過ごすぞ

お隣さんの鼻息の荒さにまじに引きそうになりながらこちらの世界にひきもどした。

ほっとくと妄想モードに入るんですよ彼。



「おぅ・・・っていうか胡散臭」

「はい?なんですか聞こえなかったんですが」

「いやだから胡散臭いなーと」

「へーまさか初対面でそんなこと言われるなんて」

「まずったオレ?」

「いいえあってますよ、いいですね君。」

そういいながら王道君に近寄り

「なっなにを!」

キスをした、キスといってもバードのほうね、いやいやいきなりディープはないよ、だって作者チキンだもの。

「いえ、お近づきの印にね。」









「キターーーーー\(^o^)/」

「てめー伊織!!」


あれだけ静かにしろと再三注意したにもかかわらず、でかい声で叫びやがった。

「やべまじ!もうはげるし、もう死んでもいいわ俺!!」

「なら死ね今すぐ死んでくれってか放せ!!」


完全にやべぇまじで逃げないと!!




ってバレマシタヨ、もうなんていうか、ばっちりがっちり王道君と瞳と瞳がアッチャッテルンンデスガ。

副会長も王道君につられてこっち見ちゃってるしもう泣いていいかなー。



「伊織君。」



もう引き戻せないほどの狂喜乱舞している友の肩に両手で無理やり俺の前に設置して

「あぁどうしようもうテンションとどまるところが・・・・」

「俺のために死んでくれ!!」



押します。

ここで重要なのは下手な同情心を捨てることです、さぁそれを踏まえたうえで全力で押しましょう

。 例え渾身の力で押したために俺らが隠れていた茂みから伊織1人だけが飛び出ることになってもそして勢いに負けて転げまわりながら二人の足に激突して、痛みに悶えても。

そして俺がその隙に君を置いて逃亡を図ってもそれはそうもうこの一言につきる。





        “おれのために死んではーと”




すまない伊織、君の身体を張った犠牲は無駄にしないよ!

 大丈夫、君なら切り抜けられるさ!!(伊達に生徒会に1年にときからいないし)

  だから再び会う日までアディオーーース!!



   そうして軽やかにそして素早く去った俺でしたマール。

 しかし伊織の捨て身アタックをかわした王道くんが。


 「なんだアレ?」





 と興味津津にこちらを見つめていたことを全力疾走で走ったため息切れ、動悸、気付け、救心な感じの俺には知るよしもなかった。



  次回、なに俺の学園生活に早くも暗雲立ち込めちゃうみたいなー
   次につづくよー。