後編






 2話 イベントはつづくよどこまでもー  後編  







生徒が少しずつ右に左にとみずからすすんで、またはその迫力に負けて一本の道を作った。


最上龍治、なんともぜいたくな名前だ、龍を治めるだって。

まぁ似合うんだよこれがイケメーンだし。

この学園のトップにして最上グループの息子。

もちろんトップということは生徒会の会長である。
 BY伊織君情報です。







「龍治!!」


名前を呼ばれた転校生は会長に注意を向けていた。

その瞬間を待っていた。

俺は腕を思いっきりふり払った。


「わっぇ!」

振り払ったはいいがいきよい良すぎたらしく姿勢をくずしてこけてしまった。


「咲也」

いやこけはしなかった。

いままさにこけそうになった転校生をいつのまにやら会長がその腕で出しとめていた。

んー抱きしめなくてもいいんじゃないかということはいっちゃだめなんだろうなーと思っていたら。

「最上 いつまで咲也を抱きしめているんですか?離してください。」


副会長が突っ込んでいた、いや文句かそれにしては目が怖い。

「そうだよ咲ちゃんは龍ちゃんのものじゃないんだから」


もう僕怒っちゃうよ。

ぷんぷんといいながら頬を膨らませる。

子供か!!



「・・俺・・の・」


おっと影がどちらかといえば薄い関が俺の宣言。

宣言ってきくと亭主関白宣言が頭のなかで流れる、いい曲だあれは。


「えっとお前ら喧嘩すんなよ?ほら俺は誰のものでもないし」

後ろに会長、両端に会計と書記そして前には副会長。

 あーあこれが世間一般にはやっていた、イケメン☆パラダイスか、なるほど360°どこをみてもイケメンがみえるというすごい密集度だ。


「ほう?さきほどのをもう忘れたのかならもう一度俺様のだと認識させてやるぜ」

そういうと覆いかぶさるように抱きしめていた片手を外し、転校生の顔を後ろの自分の顔に近づけて、キスを・・・・


「だからすんなーってんだろ!!」

といってぶっ飛ばされました。

いや

すごいね、身長差ぱっとみても10p以上の人を軽く2メートルは飛ばしたよ。

見てて実に気持ちがいい。

転校生の右ストレートをうけた会長は一般テーブルをなぎ倒す光景、普段が俺様なだけあってありえないよね。

これで俺も巻き込まなければもっと良かったんだけど。

(地味にテーブルの角が腕にあたって痛い)

なんて現実逃避から帰ってきましたよ。


「バカみて。」


自分がね、会長の後ろに移動したらいきなりこっちくるから避けようかなと思ったけど、このままだとテーブルの角に頭ゴン!!だよ。

無駄な心配かもしんないけど、さすがに目の前で流血ざたは勘弁してもらいたいし受け止めたんだけど。

あれだね、勢いよすぎて俺も一緒にテーブルさんのこんにちはだよ。

一日一膳なんてなれないことはするもんじゃないとひとつ大人になったオレでありました。

マール。

そのあとびっくりしたことに会長にお礼を言われて、ぜひにとご飯をおごってもらって、、、

「永浦にげろ!!」

またもや現実逃避をしつつ、痛む身体を摩っていたらどこから危険を知らせる声にとっさに左に身体を倒す。

そのすぐあとにブーンと顔すれすれに拳がすぎていくのが見えた。


「きやすく俺様に触れるな!!」

えーーーぇ!!理不尽(泣)

その掛声とともにうちこんでくる拳を右に左にとさけていく。

っていうとなんだか余裕しゃくしゃくじゃね、とはいそこーーーー!!心の中は涙涙そして汗汗ですからね、もうあたりそうでひやひやですから!!



≪しのぶ!しのぶ!≫



と天の声ならぬ伊織の声が聞こえたので、会長ごしに見てみると逃げ道を用意してくれたらしく招き猫のごとく、手招いていた。

そんな瞬間にも矢のようなスピードで降ってくるパンチに防戦一方になりながらもどうにかかわす。

うし!!もういいかなっと。

大きくふりかぶってくる会長の腕を掴み自分の方に引き寄せて体制を崩す、その隙におれはその逃げ道まで走るが、親切にしたのに怒られたのではね〜というわけで走り去る直前で会長だけに聞こえる音量でいってやりましたよ。

「触りたくって触ったんじゃねーよ自信過剰野郎だな。」



ここでのみそは野郎だなのあとにバカにするようにハンッとせせらわってみました。

「てめぇー!」



と会長がマジギレしたときにはもう遥か彼方の安全地帯に俺はいましたとさ。

あぁ久し振りに動いたわ〜。

お昼の人気がない道を走る。

はっ!!なんのために食堂にいったんだかお腹すいたよーーー。



そして俺に癒しを下さい!!













「あっ〜コッペパンのジャム&マーガリンとメロンパンと焼きそばパンと・・・・・」


ここの学校では市販級のパンをカゴいっぱいに山のように盛り飲み物コーナーに向かう。

「いやいや、どんだけ食べるの!!」


滅多に来れないコンビニ風の店内でご機嫌で買い物をしていると伊織が慌てて商品を戻そうとしていたので。

「はっ?普通でしょ飲み物はスタバのカフェオレで・・・おっ新しいの出たのか〜なら追加で、あっ会計このカードで」


さっさと会計してしまう。

(本当はもう少し買いたかったけれど)

「17592円になります。」


定員さんも美形な不思議コンビニ風。

パンが1つ500円以上って吃驚だよね。

「ゴチになりますっ!!」


意外な金額に思わずナイナイの恒例ポーズを取って感謝。

「鬼だわ!!この子!!」


といいながらさっさと会計を済ませてしまった。

失敬ななんでも奢るといったのは他でないきみ自身でしょうに。

(ふん、お金持ちがこれくらいでケチケチしない!)

(奢るって言った金額越えてるし!しかもなに関係ないアイスまで買ってるの!)

(あーそれ幸雅の分)

(・・・・俺のは?)

(・・・・・・・・・・・さ〜て帰ろーと!)







 食糧を大量確保出来た良い一日でした。