宝物前編1






宝物 前編 1   







映司のレザーブレスレットを盗った。
映司が、風呂に入るときに外して行ったから一本もらっといた。
一本くらい分からないだろう。何本も付けているんだから。




「アンク〜お風呂出たよ〜アンクも入っちゃいなよ。」

「あれ?ブレスレット一本ない。」



なんでわかんだよ!!いつも数えてやがんのか、こいつ。


「アンク知らない?」
「なんで、俺が知るわけね〜だろが!」

「そうだよね〜ってアンク?!それ俺のブレスレットだよね?」



くそっ!しまうの忘れてた。
つい嬉しすぎて見ていたら・・・

ちっ。




全くどんだけ目がいいんだよ!!俺二段目に寝てるんだぞ?!
ブレスレットなんて小さいんだから分からないだろうが!!普通。
しかも、俺の肘のところに隠れて見えるか見えないかの境目なのに。
バカは風邪引かないっていうが、バカは勉強しないから目がいいのか?


「ちっ!そうだよ!!気になってたから貰ったんだよ!それのどこが悪い!!!」

「いや、別に悪いわけじゃないけど“親しき仲にも礼儀あり”って言うでしょ?」

「俺はグリードだ。人じゃね〜!だからそれには俺は当てはまらねーんだよ!!」

「分かったか?!それに俺は欲しいと思ったものは、絶対に手に入れなきゃ
気が済まないんだよ!」


「ええ〜〜〜無茶苦茶な・・・」

「うるせっ!!!」

「別に欲しいって言ってくれればあげたから、一言言って欲しかったなーと思って・・・」



「ほぅ〜〜映司言ったな!今言ったよなっ!!」

「後で取り消すなんての話だからな!!わかってんのかっ!」

「欲しいって言ったらなんでもくれるんだな?」

「うん。あげるよ?でも物にもよるけど、パンツ以外なら何でもあげるよ?」



「じゃあ、そのネックレスくれ。」

「アンク、ブレスレットもそうだけどネックレスだってアンクしないよね?」


「いいんだよ!欲しくなったんだから寄こせ!」

「くれるんだろ?くれるって言ったのは嘘か?お前は偽善者だな!」



「や・・偽善者って・・・アンクすごい言葉知ってるね?」

「話をそらすんじゃね〜よ!!」

「いや、ただ単に800年眠ってた人から出る言葉とはね〜。」

「うるせっ!俺の話はいいんだよ!それに人じゃね〜って言ってんだろうが!!」

「くれるのか、くれないのかはっきりしろ!」

「ってか、くれるって言っただろうが!!」

「うん。分かった。いいよ。はい。」