唇
唇 7
「そうだね。アンクよく平気で食べたよね?信じられない。」
「アイスが冷たくいのが分かる。それと同じ原理だ。」
「でも辛さ10倍だよ?」
「ちっ!!うるせーー。早くコーラ飲んじまえ!!」
「うん。」
かなり回復したかも?
でも唇真っ赤で長さんなんだろうな〜〜。
コーラ頼んどいて良かったけど、結局アンク1人で全部食べたようなもんだろう?
男のメンツとやらが崩れ、粉々に散ったよ。
まぁアンクも男なんだけどさぁ〜〜。
「飲み終わったなら、1万円貰ってさっさと帰るぞ!!!」
「分かった〜〜。」
“完食いたしましたので食事代抜きで1万円差し上げます。どうぞ。”
「おばちゃんごめんね〜?趣味程度にやってるのに、1万円もらちゃっていいの?」
“(小声で)彼女さんと使いな。ほんのお小遣いだよ。貰ってやって?”
「(小声で)ありがとうおばちゃん。」
1万円をゲットして嬉しいのかアンクからは変な歌声が聞こえる。
「♪1万円。1万円!♪〜〜」
なんて恐ろしい鼻歌なんだ。
お金に目がない・・・いやアイスに目がないだけなんだろうが、何も1万円。1万円
なんて鼻歌作る人いないよ〜〜〜。
アンクが特殊なのか?
みんなそうなるのか?
俺にはよく分からないが、
お小遣いだと言ってくれたおばちゃんを思うと辛くなる。
彼女になるかも・・・とは言ったが、相手は男だしなんて謝ったらいいのか分からない。
でも男だとばらす気はさらさらない。
歩いてるとアンクが路地裏へ入っていった。
元々ここ等辺は路地裏なのだが。もっと分かりにくいところへ入っていってしまった。
「アンク。そっちじゃないよ!!」
「いいから来い!!」
「どうしたの?アンク?具合でも悪くなった?あんなに辛いものガツ食いしたら
具合も悪くなるよね〜〜。吐いて平気だよ?俺看病するし!!」
「バカか!お前は。そんなことよりも。映司今なら俺にキスしてもいいぞ。」
「本当に?!」
「っていうか、何で俺の気持ち知ってるの?」
「お前見てるとご主人様に尻尾振ってるのが見え見えなんだよ//////」
「それに毎日毎日俺の事大好き好き好きって連発してるじゃないかよ!!」
「あ〜〜〜〜〜〜。」
「あれは嘘か?!」
「いやいや。本当なんですけど・・・俺そんなに言ってた?
隠してるつもりだったんだけどなぁ〜〜〜。」「バンバン言ってるぞ。お前。」
「え〜〜比奈ちゃんや知世子さんにもバレてるわけ〜〜?」
「当たり前だ。」
「だぁ〜〜〜〜〜〜〜」
「映司。キスはどうした?」
そうだった!!キッス!キッス!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「アンクの口の中辛いっ!!!!俺の唇までまた痛くなった!!」
「こんなチャンス滅多にないぞ?映司。俺の唇奪えるなんて。」
そうだよね!こんなチャンス滅多にない!!お初でしかもアンクから言い出すなんて。
アンク意外と積極的〜〜!!って俺と同じ気持ち?
分からないから考えないことにして。
こんなことでめげてたら一生アンクとキスできないかもしれない。
アンクの口内が辛いからってどうした?!俺の唇が長さんになったからってどうした?!
問題はかなりあるが、ここで引いたら男が廃る。
男、男と五月蠅いやつだ。
今は女の方が肝っ玉座ったやつが多いのでは?!
映司はもう1度TRYしてみることにしたらしい。
無理じゃないのか?
このヘタレでは・・・。