唇
唇 5
パクッ。
(目を閉じて。怖いから。)
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
死ぬ!死ぬ!!
水、、、、水、、、、水、、、、。
ゴクッゴクッゴクッゴクッ。
「死ぬ〜〜〜はぁ〜〜〜〜〜〜。」
なんでアンクは平気なんだよ。
平気な顔して汗もかかず食べてるの?
いくら味覚がないとはいえこれはくるでしょう。
だっておかしいでしょう?
アイスは冷たいって分かるんだったら、辛くて熱いって分かるでしょう?
俺間違ってる?
「しょうがねーな。俺がお前に特別待遇をしてやる。お前の分を俺が取ってやる!!」
いや。御免蒙りたいです。
うわっ!!
何か山盛りで溢す程取ってくれたよ。
小さな親切、大きなお世話ってやつだね〜〜これは。
でも、アンクがあのアンクがよそってくれるんだよ?こんなチャンスは滅多にない。
俺も男だ。男の意地みせてやる!!!
映司は男、男と連発しているがお門違い。ヘタレで♪愛と〜勇気だけが友達さぁ〜♪
のそれだけじゃ淋しすぎるが、勇気が今日はこれぽっちもないし、女の人が見たら引きます。
でも10倍じゃしょうがないのか?!
でもそこをいくのが男の意気込みってやつでしょう?
バグッ!!!
「辛〜〜〜〜〜〜〜〜!!ゲホゲホッ。死ぬ・・・水、、、水、、、水、、、。」
「ほらよ。」
ゴクゴクゴクゴクッ。
「ありがとう・・・。アンク。助かった・・・はぁ〜〜。」
もう一口!
バグッ!!!
「だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜辛〜〜い!!!
涙が勝手に出てくる。
汗も一気に噴き出してきた。
はぁ〜〜〜〜〜。死ぬ〜〜〜〜〜水、、、水、、、水、、、。」
「ほらよ。」
同じようなことを繰り返しているような気がする。
エンドレスか?
この鍋を食べ終えるまで・・・。
それはちょっと・・・。
それを見ていたアンクは映司に何気なく素朴な疑問を聞いた。
「映司。お前辛いの苦手なのか?」
バグッ!!!
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
「苦手なんだろ?」
ゴックン。
噛まずに全部を飲み込んだ映司。
ある意味蛇を思い起こさせる。
ニシキヘビ、アナコンダ、ハブ、コブラなどなど色々いるが・・・。
映司の場合、ハブかもしれない。状況的にも。
映司は水をすぐにでも飲みたいのを我慢してアンクの質問に答えようとした。
だが、今口の中が例えていうなら、富士山が噴火しているような状態な訳だ。
映司は辛いのが苦手なんだろう?という質問に首を横に振った。
これは映司にとって最後の砦だ。
「ほぅ〜。半泣きで三口食べただけで汗ダバァ〜〜ッとかいているお前が平気だと?」
映司は首を縦に振る。
「辛すぎて今すぐにでも水が飲みたいよ〜〜なんて思ってて、水がないから喋れないやつがか?!」
映司はまた首を縦に振る。
喋らないと変に思われる。でも、喋ると口に空気が入ってもう激痛の域にまで達するんだよねぇ〜〜。
水飲んで・・・。何杯目だ??水・・・?
3杯目だ。
そうだ!!アンクの話は後に回して・・・キレられるけど。
そんなこと
構っちゃいられない。
水だからダイレクトにくるんであって。他の飲み物なら。
甘い飲み物が・・・。ん〜〜〜??コーラがいいかも!!コーラ頼もう。
口開きたくないよ〜〜アンクの言ってたこと的を得てるけど、事実だけど我慢我慢!!
アンクのこめかみに血管浮き出したよ(怖)早く早く。
「おばさ〜〜ん。コーラ5杯くださ〜〜い。」
“はいは〜〜い”
(彼女さんの前でいつも通りにしちゃったわよ。大丈夫かしらねぇ〜?何か険悪?
私のせいかしら?こんなおばさんに嫉妬するなんて可愛い彼女さんだわね〜。
気をつけなくちゃいけないわね!!
あら!まだ彼女さんになるかもだったわね。
映ちゃんなら絶対大丈夫よ。私がいけなかったんだったわね〜〜。多分・・・)
なんとまぁ相異の考えの違いがかなりあると思うし、おばちゃんにいたっては
変な想像をしてるし。
まったく違いますから!!
これだからおばちゃん達<一部>は
早合点して間違いの答えを導き出す。
困った種族だ。
年をとれば皆そうなると言えばそうかもしれない。
「アンク?俺辛くないし?喉乾いてただけだもん。
水じゃ嫌だったからコーラ
今頼んだまでの事よ。ホホホホホホホ〜〜〜〜。」
水、、、水、、、水、、、。ゴクゴクゴクッ。プッハァ―――――――。
少し紛れた。
「ほ〜〜〜〜う。そうだったのか!!」
分かってくれたみたいだし、騙されてくれたよ。上手い具合に。良かった―――。
メンツが保てるというやつではないかっ!!フムフム。