唇   3  







“え〜〜っとキムチチゲ10倍です。完食しましたら食事料金無料と
1万円を差し上げますので頑張って召し上がってください。では。”

“あと残しましたら料金の倍払っていただくことになっておりますので・・・”

(あら、あら。実権はやっぱり映ちゃんが握ってるのね〜〜
それにしてもあの子可愛い顔して以外にハスキーボイスねぇ〜〜〜フムフム)



地獄の扉開けちゃったよ。やっぱり血の海だよ!!

グツグツいっててすでに目が痛いんですけど、気のせいですか??



「おい!!映司。何がハウスだ!!しかも考えに浸ってんじゃねーよ!!じゃんけんだよ!!」

「もうアンクの勝ちでいいよ・・・・。」


「勝負は勝負だ!!行くぞ?」
コホッコホッ。
「じゃんけんぽん!!!」


「う〜〜〜〜〜。何故だ!!むせてるし、後だしというものをやったのに!!」




くそ〜〜〜っっ手本気で怒ってるけど
俺はと言えば、目は痛いし、むせて思考回路なんて0だよ。
もうなんでもよかったんだよね。マジで。
後だししたなら勝って欲しかったよね〜〜〜。
というかいつ後だしというものを知ったんだ?


でも勝っちゃったんだよね〜〜〜。
あ〜〜〜〜〜。
風当たり強くなるじゃんか・・・。


キレネンコ入っちゃうよ
。忘れてくれることを祈るしかないな。
アンクのキレネンコはDVDより恐ろしく、俺2人いても足りないよ・・・。




アンクは一先ず置いといて。

そう!!このチゲ一口でも食べたもんなら唇が長さんになるよ。
本音を言えばこの場から逃げ出したい。目が痛くて涙が出てきた。
お金ちゃんと2倍払うから。ね?無理?無理だよね〜〜〜。


アンクと言えば、じゃんけんでムカついてるかと思いきや頭の中からすっぽ抜けてる感じで、
チゲを目の前にして、目キラキラさせてる。
鍋覗き込んでるよ。

ありえん。

この位置でも死ぬっていうのに。
刺激物だよ?目傷めるって!!!

キラキラはいつもなら可愛いけど今は凶悪に見える・・・・・。



“すいませ〜〜ん。はい。これ取り皿です。”



「ありがとう。おばちゃん。」


「・・・・・・・・」

おばちゃんからの意味深なウィンクをもらい、映司はおばちゃん今日頭でも打ったのかなぁ〜〜と思った。
そして・・・・
「アンク〜〜。さっきおばちゃんにウィンクされたんだけどどういう意味?」

「頭でも打ったら医者に見せなきゃ危ないでしょ?どう?」


「ハハハハハハハハハ(泣)それあのババアがお前のこと好きってことだよ(笑)」
「クックックックッ。お前・・・・・傑作(笑)」

「笑ってないでもう食べよ。食べよ。何か変な汗でてきちゃったよ↓」
「なんでだよ・・・・(笑)照れてやがんの(涙)ハハハハハハ。」


「笑ってくれるのは嬉しいけど、俺イジリで楽しむのやめてよ↓」

「わかった。わかった。食べようか?」
おしぼりで涙を拭きながらも笑いが漏れている。

アンクはツボにはまるとなかなか抜け出せない。意外な一面であろう。

「ハハハハハハハハハハハ(大爆笑)」




笑いがようやく納まったらしく、いつものアンクに戻った。




「ねえ?アンク?本当にこれ食べるの?」
「何故だ?それに早く食べたいし。食べ方分からないから手っ取り早く簡潔に言え!!」
「だって。完食したって言う人たちの写真が1枚もないよ?」
「じゃあ俺らが1番目ってことだなっ!!なんか嬉しいじゃないかっ!ククッ」


ヤミーやグリード達よりも数倍怖い!!
だいたい辛さ10倍ってバカでしょ?何で10倍にしたのよ?
挑戦者が次々に負けていくやつでしょ?

写真本当に1枚もないし・・・死を覚悟しろってことだよね?ね?ね?
それを嬉々として食べようとしているアンクは大魔王に見える・・・・。



大魔王?カメハメハ大王のことか?いずれにしても悪魔を想像していた映司は悪魔を大魔王と言った。
バカと天才は紙一重と言うが、映司は両方を兼ね備えているのかもしれない。
それも映司の魅力の1つと言えるだろう。
ほっとけないし、でも頼りがいがある。そんなところだろうか・・・?



「映司。いい匂いだな。冷める前に早く食べたい!!」
大魔王の次は駄々っ子かっ?!可愛い奴め!!

「グツグツいってるから大丈夫だよ?早々冷めないよ?しかもアンク猫舌でしょ?」
「ゆっくり食べよう?」

「ふんっ!!フーフーすれば平気だって映司が教えてくれたんだろうが!!」

威張ってるくせにアンクの言葉からでたのは、フーフーだって!!
ヤバいよヤバいよ〜〜(出川風)
萌が倍増いや何百倍になったことかっ!!
可愛過ぎるぅ〜〜〜〜〜。
可愛過ぎて目から涙が・・・・?