奇跡5






 奇跡 5 







「ちょっとした心理テストをしてみたくて・・・」
「何でこんな夜中に心理テスト「いいから1問だけ」」


「分かった。が、アイスを10本買ってもらうからな!!」
「いいよ。これで交渉成立ということで。ねっ。」

「嫌な予感がするのは気のせいか?」

「気のせい、気のせい」




「あなたの前にはケーキがあります。「鴻上かっ?!」」



「違う、違う。普通に置いてあって、鴻上さんとは別問題。」


「本当に別なんだろうな?」
「別だから安心して。」




「ちゃんと聞いてよ?そこにはロウソクが刺さっていました。」

「そのロウソクを消してください。」

「消す真似だけでいいからね。」


「分かった」



“ふぅ〜”



その唇にキス。

驚いて離れようとしたが、一歩映司の方が上手。

アンクは襟首を捕まえられて、抱き締められているから、線が細いアンクは
身動きがとれなくなり、キスをされまくっている状態。



角度を変えられ、舌を吸われもう腰砕けになっていた。

これが立ってだったら、腰砕けたアンクは映司に抱きつかなければならない
状況に陥られている所だった。



が、長椅子だったからよかったのだが、さっきまで映司にキスをされている夢を
見ていたので余計に感じてしまった。




映司の胸を叩いても、全然力が入っていなくて、キスのされ放題。

下唇を甘噛みされたり、舌を引っ張り出され絡ませられたりとアンクは
キスの合間に息をするので精いっぱいになってしまった。



やっと離されたかと思えば、
「夢の俺と今の俺どっちが感じた?」などと聞くもんだから一発殴ってやろうと
思ったのだが体が思うように動かなくなってしまった。


これもキスの余韻。



やっと出た言葉が、まぁ可愛らしいこと・・・




「本当にキスをしてもしてなくても、映司は映司なんだから同じだ。」



まさにこれこそが運命というやつだろう。