赤ずきんとオオカミ4






赤ずきんとオオカミ 4   







映司はババァってアンク口悪すぎじゃない?と考えてテクテクと歩いていた。

テクテクといっても歩く速度は速い。

毎日で歩いているせいであろう。
花畑を歩いて気分転換になったのか、さっきのオオカミアンクの事を思い出して、
おばあちゃんの事ババァと言われたことも忘れ、あの感触をありありと両腕と胸に感じ気分は上々だ。



「そっだ!お腹もすいてきたし、クロワッサン1個や2個食べてもいいよね〜。」
「やっぱり母さんの言う通りかもしれない。知世子特製は半端なく美味しい。」

映司のお腹がかなり空いていたのもあるかもしれないが・・・。

パクパクとパンを口に運び、籠の中を見れば、葡萄酒だけになってしまった。




「おばあちゃんごめんなさい」と、言いつつ、鼻歌なんかが出てくる。


「ポッケの中から〜パンツが1枚、パンツが2枚、パンツが3枚〜〜」

一応オオカミなので映司の事をすぐ見つけ、ちょうど鼻歌を聴いた。




「あいつパンツが欲しいのか?パンツならっと・・・
花畑を左に行って町の露店の2軒目が安いらしいな。」

「と、やばい花畑を通り過ぎるぞ、あれは。」



「オイ、映司!」

「あっアンク!」

「お前今パンツ欲しくないか?」

「欲しいよ。だって俺明日のパンツと少しのお金があれば生きていけるんだから。」

「ほぅ〜あのな今日町の露店の2軒目でパンツが大安売りしてるらしいぞ。」



「でも、おばあちゃんが・・・」

「ちょっと行けば町なんだから、ちゃちゃっと買ってくれば少しくらい平気だろう。」

「そうだね。じゃあちょっと行ってくるよ。」

「ありがとうアンク。」



チクッ。



こんなちょっとした罪悪感ぐらい屁でもない。


「バイバイアンク。」

「バイバイ映司。」

「また会おうね、アンク。」

「今日でお前ともおさらばだ。はっ!ざまーみろ!!」



ドッキン。



何だ。何だ。あいつを食べて俺の腹の中に納めてやるんだよ。
淋しいなんて全然ないんだからな。
が、話し相手がいなくなる。

ああ〜〜〜どうしたんだ、俺。
しっかりしろ。俺はオオカミだろ。
しかも人間を食らうオオカミだ!!




花畑を左へ曲がり露店へと行った映司は、
「ポッケの中から〜パンツが1枚、パンツが2枚、パンツが3枚〜〜」
「あっ!俺好みのパンツ〜!」



一方アンクはというと・・・


「はっはっはっ!!やっと着いたが、ビビらせて大声でも出されたら終わりだ。」

アンクさん周りを見ましょう。ぽつんと1軒だけですよ?
まあ、それは置いといて。

あいつ映司の真似でもして入れてもらって速攻食らう。いい案だ!



「おばあちゃん、お見舞いにきたよ、映司だよ。扉開けて〜」

「映司くん?1ちょっと声が違うような・・・」

“このババァ気がつきすぎなんだよ。早く開けろよ。”

「ほんとに映司くん?」

「映司だよ〜」

「そうよね、こんなところまで来てくれるなんて映司くんくらいだものね。」

「今、開けるわ」

“勿体ぶりやがって。この雌豚が!さっさと俺に食われろ”



カチャッ。



「誰よ、あんた。映司くんは?」

「俺はオオカミの「いやあ〜〜〜〜〜〜〜」」


「グフッ・・・」


アンクは比奈おばあちゃんに投げ飛ばされて再起不能。
比奈おばあちゃんは病人とも思えない力でアンクを投げ飛ばし、
伊達さんと後藤さんの所へまたもや、病人とは思えない程のダッシュで走って行ってしまった。